行政書士東京城北総合事務所伊藤健司の起業家インタビュー（新しい取り組み・挑戦）

新型コロナウイルス発生前はどんな仕事をしている会社でしたか？: 当所は、大きく４本の業務を柱として展開してまいりました。
第一に中小事業者の事業支援です。支援といっても幅広いのですが、具体的には補助金・助成金申請に必須の事業計画書の策定サポート業務や各種許認可申請業務を中心としたサポート業務です。第二に、遺言・相続関連手続きサポート業務です。第三に、外国人の在留資格申請サポート業務です。第四に、関係各所にお呼びいただき、講演会や勉強会、セミナー等でお話をさせていただく業務です。
なお、これら４業務については、新型コロナウイルスの影響後も変更はしていません。
新型コロナウイルスの影響を教えて下さい。: 前述の４業務において、影響を大きく受けた業務と、受けていない業務に分かれます。
大きく影響を受けた業務は、第二と第四の業務です。
これらの業務は、従来は何度も対面で打ち合わせを重ねながら進めていくことが常でした。特に第二の業務である遺言・相続関連手続きサポート業務においてはそれが顕著であったこと、そして比較的年齢層の高い方が多いことより、皆様が感染拡大防止に努められたことから遺言書作成サポート業務のご依頼が大きく減少しました。一方、相続関連手続きサポート業務については、発生が不確実であるためご依頼数に大きな減少は見られませんが、対面での打ち合わせ等を控えたことにより、従来と比べて業務完了までの時間が大幅に増えてしまう状況となりました。
第四の業務においても、一部リモート（例．Zoom等）での実施はあるものの、会場でお話しさせていただく機会は大きく減少しました。
新型コロナウイルス発生後の新しい取り組みや挑戦を教えて下さい！: 特に大きく影響を受けた第二の業務である遺言・相続関連手続きサポート業務について、従来の進め方を大きく見直しました。
中でも、ご相談や打ち合わせの機会をリモート化し、お客様はほとんど外出をしなくても進めていただけるように変更したことが大きいです。
具体的には、何度でも視聴可能なご説明映像を多く制作し、ご相談等はLINEを活用し非対面で進めていけるようにシフトしたことです。
現役世代が業務遂行時に多く利用しているZoom等に代表されるリモート方法ではなく、身近であり慣れているLINEを多く活用したことで、特に年齢層の高い方々においては、お気軽に安心して当所をご利用いただけるようになりました。
新型コロナウイルスと今後も共存していく上で何が一番重要だと思いますか？: 新型コロナウイルスの感染拡大という不測の事態により、従来の当たり前が通用しないことが多くの皆様に突き付けられました。
同時に、今後についても、また別の不測の事態が生じることも念頭に置いて進めていかなければならないことに気付かされた機会でした。
また、頭では理解していても、中々実行に移せないことも経験しました。
このことはビジネスにおいても当然にあり得ることです。
幸いにも、ITやAI等の技術が加速度的に進んでいますので、常日頃から自身の業務の進め方等を懐疑的に捉え、活用出来る技術や情報の習得に努めておくこと、そのためにはそれぞれに対処していく対応力の向上に努めることや柔軟な発想を養うことが必須であると考えます。
これから起業する人に向けてメッセージをお願いします！: 先進諸国の中で、日本の事業者の生産性は低いと言われて久しいですが、今回のことで生産性の高い仕組み作りに真剣に向き合うことを余儀なくされました。
生き抜くために様々な工夫や実践をされ、結果として強い組織・利益体質に生まれ変わった事業者も多く出てきているようです。
これからの方々は、従来の当たり前を疑って下さい。起業をする際には、周りや近しい方々に相談等をすると思われますが、いただいた意見も一度は疑ってみて下さい。
そして想像力を大きく働かせて下さい。
一部の業界を除き、様々な業界でオンライン化が加速していくことは、ライバルが世界になるということを意味すると思います。
夢は大きく、目標は現実的に、冷静に熱くなって頑張っていって欲しいと思います。