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起業家インタビューテーマ:起業家の成功談・失敗談インタビュー
スペシャリストホームドクター 上池台動物病院グループ 上野雅祐 の起業家インタビュー
2026年10月10日
社長になったきっかけは?
高校生の頃の経験が、一つの原点になっています。
当時、職場体験をした際に「獣医師は大変で、夢がない職業だ」という話を聞きました。
ただ、私はその言葉をそのまま受け入れることに、どこか違和感がありました。「本当にそうなのか。環境ややり方を変えれば、違う結果をつくれるのではないか」と考えたんです。
もともと私は、物事を感覚だけで捉えるよりも、「なぜうまくいったのか」を言語化し、再現できる形にすることを大切にしています。
獣医師になってからも、自分一人の診療技術を高めるだけではなく、良い診療、教育、組織づくりをどうすれば再現できるのかを考えるようになりました。
その延長線上にあったのが「経営」です。
私にとって獣医師は非常に大切な専門性ですが、自分自身を「獣医師」という枠だけに閉じ込める必要はないと思っています。
獣医師として一頭の動物を救うこともできる。一方で、経営者として仕組みをつくれば、多くの獣医師やスタッフが成長し、その先にいるさらに多くの動物や飼い主に価値を届けることができます。
だから私は、社長になることを目的に経営者になったわけではありません。
「環境が人生を決めるのではなく、行動と仕組みによって結果は変えられる」。それを自分自身で証明するための一つの手段として、経営者という道を選びました。
どんな仕事をしている会社ですか?
「スペシャリストホームドクター 上池台動物病院グループ」として、犬・猫を対象とする動物病院を国内に6院展開しています(2026年7月時点)。各院では一般診療を行うとともに、腫瘍や整形外科をはじめとする、専門性の高い症例や治療が難しい症例にも対応しています。また、猫の命に関わることもあるFIP(猫伝染性腹膜炎)の診療にも力を入れています。

2024年末からは海外展開を開始し、2026年7月時点でパキスタン・ブルネイ・タイの3か国に協力病院を開設しています。
成功談を聞かせてください!
成功という言葉が適切かは分かりませんが、「行動したことが、想像していた以上の結果につながった」という経験はいくつかあります。
一つは、動物病院経営です。
2019年に一つの動物病院からスタートし、「なぜ患者さんに選ばれるのか」「どうすれば獣医師が成長できるのか」を一つひとつ言語化し、仕組みにしてきました。その成功パターンを他の地域にも展開することで、現在は複数の動物病院を運営するまでになりました。
獣医療では、特にFIP(猫伝染性腹膜炎)の治療に力を入れてきました。
かつてFIPは「助からない病気」とされていましたが、治療法が大きく変化する中で、早い段階から積極的に症例を受け入れてきました。その結果、現在では累計500症例以上のFIP診療に携わっています。
最初から500症例を目指していたわけではありません。一つひとつの症例と向き合い、そこで得た知識や経験を蓄積し、次の診療に生かす。その積み重ねが、結果として大きな専門性になりました。
そしてもう一つが、海外への挑戦です。
海外の動物病院を実際に訪問し、自分から現地の獣医師たちと関係をつくってきました。ブルネイでは現地の獣医師に超音波検査や内視鏡検査を指導し、その後、日本での実習受け入れも行いました。帰国後には現地の動物病院に超音波機器が導入され、実際の診療環境の変化にもつながっています。
パキスタンやフィリピンなどの動物病院にも足を運び、日本とはまったく異なる獣医療の現場を見てきました。今後はFIP治療を含め、日本で蓄積してきた獣医療の知識や経験を海外にも届けていきたいと考えています。
こうして振り返ると、私の成功体験には共通点があります。
最初から大きな成功を狙ったのではなく、小さく行動し、そこで得たものを言語化して、次の行動に生かしてきたことです。
一つの病院から複数の病院へ。一つのFIP症例から500症例以上へ。日本での診療から海外の獣医療へ。
小さな行動を積み重ね、それを再現できる形にしていくことが、結果として自分の可能性を大きく広げてきたと思っています。
失敗談を聞かせてください!
自分の失敗を振り返ると、「気持ちだけで突っ走ってしまったこと」が何度かあります。
その一つが、2022年頃から一気に進めた分院展開です。
当時は東京だけでなく、静岡、名古屋、大阪と離れた地域に次々と病院を展開しました。
今考えると、まず東京やその周辺に集中して展開する方が、採用や教育、管理の面でもずっと合理的でした。
ただ当時は、「もっと良い病院を増やしたい」という気持ちが強く、経営上のリスクよりも、まずやってみることを優先していました。
海外でも似たようなことがあります。
海外の獣医療に少しでも貢献したいと思い、パキスタンなどにも実際に足を運びました。
その時はあまり深く考えていませんでしたが、今振り返ると、かなり危ないことをしていたと思います。
自分一人ならまだしも、今は多くのスタッフが働く病院の経営者でもあります。
行動することは大切ですが、行動力と無謀さは紙一重です。
昔は「やりたいならやる」で動いていました。
今はそこに、「もし失敗したらどうなるか」を一度考えるようになりました。
それでもやると決めたら、思い切ってやる。
そのくらいが自分にはちょうどいいのかもしれません。
これから起業する人に向けてメッセージをお願いします!
高校生の頃、職場体験で「獣医師は大変だし、夢がない仕事だ」という話を聞きました。
でもその時に、「本当にそうなのかな」と思ったんです。
今考えると、それが自分の原点だったのかもしれません。
仕事をしていると、「この業界では普通こうだよ」とか「それは難しいよ」と言われることが結構あります。
もちろん正しいこともあります。でも、実際にやってみたら全然違った、ということもあります。
自分も病院を増やしたり、海外に行ったり、周りから見れば無謀に見えることをいろいろやってきました。失敗もしましたが、やらなければ分からなかったことの方が多かったと思います。
なので、何かやりたいことがあるなら、周りの意見だけで諦めないでほしいです。
「本当にそうなのか?」と思ったら、自分でやって確かめてみる、といった事が
大事なのかもしれません。
https://reiwa-animal-hospital.com/

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